Story
敷地を初めて訪れた時、ケヤキの木が目に留まりました。道路を挟んだ公園のケヤキの木が敷地のちょうど目の前にあり、一目見たときからこの木が建物にとってのシンボルツリーとならないか考えていました。
建物は3階の床にレベル差をつけたスキップフロアとし、各室から公園のケヤキが望めるよう、開いた構成をとっています。採光は道路と反対側の南側ルーフテラスから取り込み、スキップさせた床により、建物の奥深くまで導き入れます。レベル差によって生まれた高い天井と抜けた視線、ワンルーム形式の構成は、建物に奥行きと拡がりを作り出し、狭さを感じさせないのびやかな空間を演出しています。
要望であるキッチン、本棚は造付けとし、それぞれ2階LDK、3階フリースペースに配置しています。キッチンはシンクとコンロを分離したアイランド型の対面カウンター、キッチン背面にはボトルラックを設置し、ラックの後ろはFIX窓を設け、夜間照明により、色とりどりのボトルをライトアップできる工夫をしています。
色につきましては、外壁、各階便所、洗面脱衣室にクライアント要望の個性的な配色を施し、住空間のアクセントといたしました。
構造は、地盤が良くなかったこともあり、「木造に近い鉄骨造」というイメージの計画を立て、建物全体重量の軽減を図り、基礎、地盤に対する負担を和らげながら、全体的なコストダウンを施しました。
玄関を入り2階のLDKに入ると公園のケヤキの木が目に飛び込んできます。景色を眺めながら、キッチンでは御主人自慢のカクテルなどのお酒が振舞われ、フリースペースでは奥様と友人が自慢の蔵書を寝そべりながら読まれています。シンボルツリーを軸に趣味や嗜好を住宅に取り込んだ個性あふれる狭小住宅です。

















