Case. 4
kohga house
伝統的な間取り形式をもつ日本家屋が建ち並ぶ地域。
子世帯の為の離れの計画。
大きな箱と小さな箱を組み合わて出来る隙間。
隙間は廊下であり、子供たちの遊びの空間であり、簡単な接客空間であり、さらに、建物に奥行きと拡がりを与える、余白の空間であります。
伝統的日本家屋にある多機能な縁側空間をイメージしました。
Story

のどかな田園風景が広がる集落の中に位置しています。敷地には母屋と築年数の異なるいくつかの建物が繋ぎあわされた離れが建っており、母屋には両親が生活、離れは物置として利用されていました。計画は息子夫婦が両親の近くで生活をする為に離れを建て替えるというものです。

 

離れは築100年以上という古いものも存在していましたので、リフォームして保存することも検討いたしましたが、総合的な観点から建て主の要望を満たすことが出来ないという判断に至り、建て替えることとなりました。

 

建物は、祖父が大切にされていた立派な庭園を避けた、既存の離れの位置に母屋と切り離して配置しております。

 

伝統的な日本家屋が多い地域でありながら、現代的な住宅を求められましたので、あまり突出した外観とせず、周辺環境に溶け込ませるよう意識しました。まず、取り壊した離れの大きさを著しく超えないこと、落ち着いた形状の建物とすることにより、周辺環境にもたらす変化を少なくしております。さらに、仕上げにおきましても、周辺建物の焼杉板に瓦屋根に習い、外壁を杉板木材保護塗料塗、屋根をガルバリウム鋼板一文字葺で色は瓦のイメージでシルバーとし、周辺建物との調和を図りました。

 

建物につきましては、シンプルな四角い箱を組み合わせて「ずらす」ことにより生まれる隙間を利用し、伸びやかで開放的な内部空間を創りだしております。ズレによって生じた隙間には、各室とLDKを繋ぐ廊下として、子供たちが自由に遊べる空間として、お客さんをおもてなしする縁側空間として、御主人の書斎として、LDKに拡がりと奥深さを与える余白の空間として、様々な機能を持たせております。

 

玄関を入るとまず吹抜けの廊下が目の前に現れます。廊下を通過するとリビングに導かれます。この廊下はリビングから見下ろすことができ、建物に拡がりと奥行きを演出いたします。リビングから各寝室へもこの廊下によって導かれます。廊下の窓を開けると庭園が目の前に広がる縁側として利用でき、廊下で子供たちが走り回ります。

 

無駄ということで、敬遠されがちな廊下。さまざまな機能を付加し、活用いたしました。

建物概要
所在地:滋賀県甲賀市
設計期間:0612-0711[竣工0806]
主要用途:住宅
撮影:平野和司
構造
構造:木造2階建
敷地面積:188.53 m²
建築面積:63.35 m²
延床面積:104.49 m²
受賞・掲載
第19回TH大賞 地域優秀賞 受賞
Blog
プロジェクトの進行の流れをブログで見ることができます。