Case. 6
House-F
デザインを付加するのではなく、削り落していく。
家族の生活の本質を見据え、機能と要望を突き詰めた、家族にとっての普遍的なカタチ。建物自らが主張せず、家族の生活の引き立て役に徹する、デザインのないデザイン。デザインが無くなることにより浮き彫りになる家族のスタイル。家族が生活をデザインし、建物はそれを受け止める。

「家族が主役の家。」
Story

敷地は数年前に土地区画整理事業が行われたばかりで、周辺には未完了区域も点在しております。敷地周辺の町並みや環境は、驚くほどの速さで変化しています。そのような流動的な外部環境によって生活空間が影響を受けないよう、壁で囲われた中庭型の住宅とし、家族が安心して落ち着いた生活を送ることができる計画といたしました。

 

建物は車2台と自転車数台が入る鉄骨造のガレージと、生活領域である木造2階建ての住宅という構成になっております。

 

1階には玄関、和室、LDK、水周りのそれぞれを中庭に面して配置しています。フルオープン可能なサッシ、段差の少ない内外の床レベル、白で統一された仕上は、屋外と屋内の境界をぼかし、距離を縮め、生活の中にいつも自然を感じさせてくれます。

 

中庭に面したリビングダイニングは生活のコアとなり、いつも家族が集まり、笑顔や会話が集まり、さらには友人が集まり、セレクトされた家具や小物などが集まります。デザインのない内装は暖かい家族の姿を際立たせ、趣味や好みを引き立てます。そしてそれらは「生活のデザイン」となってデザインのない住宅にデザインされます。

 

2階におきましても各室を中庭に向けた配置としており、庭を介して家族の気配を感じることができ、デザインのない室内は個々のスタイルを引き立てます。

 

将来、ライフスタイルや家族構成が変わろうとも、物事に対する考え方、好みが変わろうとも、それがこの家のデザインとして定着いたします。家も家族もお互いいい味を出しながら歳を取り、生活スタイルの変化とともに変貌を遂げるデザインを楽しみつつ、長く使い続けてもらえるとうれしく思います。

 

家族の生活スタイルそのものがこの家のデザイン。


建物概要
所在地:大阪府
設計期間:0811-0903[竣工0910]
主要用途:ガレージ付住宅
撮影:KEISUKE NISHITANI
構造
構造:木造一部鉄骨造2階建
敷地面積:199.84 m²
建築面積:119.00 m²
延床面積:189.20 m²
受賞・掲載
モダンリビング別冊「ML+VIEW身近な建築家70」掲載
Blog
プロジェクトの進行の流れをブログで見ることができます。