Case. 7
House-S & NO.201
大阪の中心部。様々な規模、用途の建築物が密集して建て込み、街は混沌とした様相を呈しています。そのような状況の中、時間の流れがゆっくりと感じる、静かで心地よく、街の雑踏を感じさせない佇まいの店舗付住宅を求められました。これは、都市と対峠するのではなく、都市とうまく付き合いながら、落ち着いた生活を送るという意志の表れと理解し、都市との距離、つながりを再構築し、都市と生活、個と社会の新しい関係を計画しています。さらに都市にありながら気軽に自然と触れ合える庭園を設けることで、地球環境にも配慮した計画となっています。
Story

建物の形態、用途、規模、デザインなど、都市から発せられる膨大な情報。それらは、意識する、しないにかかわらず、無意識のうちに視覚情報として受け止めてしまっています。都市にはたくさんの情報が集まっていることが魅力な反面、その膨大さによってすごく疲れさせられてしまいます。

 

建物は1階が店舗、2~4階が住宅、さらに4階のテラス部分には緑化を施し、密度の濃い多彩な計画となっています。

 

1階店舗におきましては、店舗単体が独自デザインを主張するのではなく、全体の中の一部として総合的に調和させることにより、「建物の1階が店舗」というイメージを超え、「建物そのものが店舗」というイメージ戦略を可能にし、全体として落ち着いた雰囲気を獲得しています。

 

2階から4階の住宅におきましては、生活感をオモテに出さないデザインとすることで、都市の雑踏を居住空間に入り込ませないという表と裏の関係をつくり出しました。さらに、各個室におきましては、あらかじめ家族の成長に伴う寝室の振り分けを想定し、将来的な生活スタイルの変化を見据える事で、オモテのファサードが崩れないよう配慮しております。生活感をオモテに出さないことで店舗と住宅との関係を計り、都市と住宅との関係を計っています。

 

4階は緑化することで密集市街地におけるプライベートガーデンとし、微力だけれどもヒートアイランド、地球温暖化問題に貢献したいという意思表示の場といたしました。

 

建物自らが出す情報量を控え目にする。その気配りと配慮がこの建物に落ち着きと静けさをもたらしています。

建物概要
所在地:大阪府大阪市
設計期間:0808-0907[竣工1003]
主要用途:店舗付住宅+屋上緑化
撮影:KEISUKE NISHITANI
構造
構造:鉄骨造4階建
敷地面積:76.02 m²
建築面積:55.71 m²
延床面積:180.95 m²
受賞・掲載
2010年度グッドデザイン賞 受賞
GOOD DESIGN AWARD 2010 掲載
建築と社会 2011年9月号 掲載
Blog
プロジェクトの進行の流れをブログで見ることができます。